ナスPの日記

日常生活で自分が何かを「思った」時に、「なぜそう思ったんだろう?」ということをめっちゃ考えて書きます。

ライくんはプログラムで動いている

実は、猫を飼い始めたばかりの頃は「なんだかプログラムで動くロボットを相手してるみたいだなぁ。」と思ってた。


猫を我が家にお迎えする前、私は猫の買い方マニュアルをものすごく熟読した。
「餌をやる時間は何時でも構いませんが、毎日同じ時間にあげるようにしてください。
 何時に餌をもらえるかわからないようだと、猫はストレスを感じます。」
「毎日遊んであげてください。一人で勝手に遊んでるから大丈夫と思っていませんか? 飼い主として、猫の身体能力をきちんと把握するためにも、1日15分ほど遊んであげましょう。(以下、猫の興味を持続させるための遊び方マニュアルが続く)」
「1週間に1回はブラッシングしてあげましょう。」
「爪が伸びたら切ってあげる必要がありますが、無理矢理押さえつけることは、猫との信頼関係を損ねます。ちょっとずつ爪切りに慣らしてあげましょう。」

で、猫が来てからは毎日マニュアル通りにお世話をした。

餌をやる時間は朝と夜の6時きっかり。
遊ぶ時間は夕方の15分間きっかり。
ブラッシングも爪切りも1週間に1回。
水を飲む量もしっかり把握していた。

で、猫の方はそれに対応した反応を返すだけ。
餌が出てきたら食べる。
目の前で猫じゃらしが動いていたら飛びかかる。
ブラッシングや爪切りはそれなりに嫌がる。
全て、事前にマニュアルに書いてあったとおりの反応。


まるでJavaServletでも相手にしているような気分だった。
あるいはtomcat。あるいはJenkinsとか。
とにかく、タイマーで起動して、こちらの対応に合わせた反応を返す様は、まさに「プログラム駆動」だった。


この、猫の「ライくん」が、プログラムで動いている訳ではないようだ。とようやく実感できてきたのは、ライくんが我が家に来てから1年たとうかという頃だった。


マニュアルに載っていない行動5つ。
「その1 ライくんなりのタイミングがある。」
→たとえば冬、寒かろうと思って毛布を出してやるんだけど、出してやったそのタイミングでライくんが毛布に入ることは100%無い。ほっといたら気の向いたタイミングで入る。
 なんだろう、この”その場ですぐに反応しない”ってところが、凄く生き物らしさを実感する。
 人間でもそうだよね~。

「その2 いじめられてもけろっと忘れて、3秒後には甘えてくる。」
→今では、爪を切るタイミングになったら問答無用で手首をつかんで切ってる。
 一度信頼関係を築いたら、週に1度、無理矢理手をつかんで爪を切ったくらいでは容易に人を嫌いになったりはしないみたいだ。でもそれは人間も同じよね。と思ったりする。

「その3 とにかくなんだかわからんけどニャーニャー鳴いて近寄ってくる。そのわりには、別になでて欲しいわけではない。」
→遊んで欲しいということのようだ。


「その4 予防注射を打った翌日に体調を崩す。」
→いつもなら朝ご飯を要求してぐるぐる歩き回りながらニャーニャー鳴くのに、その日に限ってものすごくぐったりしてた。
凄くびっくりした。ライくんの体は機械なんかじゃなく、生身の肉体なんだ、ということを凄く実感した。

「その5 遊んで欲しい気分のときと、ただ寄り添っていたい気分の時と、撫でて構って欲しい気分の時があり、当然その気分になるのが何時何分何秒なのかは決まっていない。」
→最初の1年間は、毎日決まった時間に遊んであげてたんだけど、同じように遊んであげているのに、あまり興味なさそうにしてたり、ものすごく食いつきがよかったり、あるいはいつもと挙動を変えて工夫して遊んでたりしていることがだんだんわかってきた。
当たり前だけど、気乗りするときとしない時があるんだよなぁ。タイマーじゃないんだよなぁ。だって生き物だもの、と思った。