ナスPの日記

日常生活で自分が何かを「思った」時に、「なぜそう思ったんだろう?」ということをめっちゃ考えて書きます。

ちぃちゃんは、ただ、足りなかっただけ。

バイトのポスターを見て、「深夜バイト○○円」なんて、昼間より300円くらい高い時給を見ると、ちぃちゃんのことを思い出す。

ちぃちゃんは、エステに通ったり、美顔器を買うお金が欲しくて仕方なかった。
昼間の仕事で、徐々にキャリアを重ねていって、給料を増やしていく、なんて悠長なことはやっていられなかったのだ。
だって、人生はいつだって、今が一番若くてきれいな時期なんだから。
今じゃなきゃダメだった。
あとからじゃ遅いのだった。

エステや美顔器できれいになって、男の子とつき合って、結婚したかった。

今、ちぃちゃんは、望み通りに彼氏と授かり婚をして、子供を育てている。
昔、エステのチケットや美顔器を買ったときのローンや、働かない旦那さんの分まで、新聞配達のバイトをしてせっせと働いてる。

それはそれで幸せなことなのだろうけど、
私はなぜか彼女を見ているとモヤモヤする。


なぜなのだろう。よくわからない。
彼女の生き方を見ていると、本当に不器用で、もっと言うと最高に頭の悪い生き方だな。と思う。

もっと「賢く」生きられたはずなのに。と思う。
どこかの会社でキャリアを積み、順調に給料を増やしながら、仕事に自分なりのやりがいを持っている男性を見つけて結婚し、穏やかな家庭を築くことだってできたはずなのに。
(と、いうか私はそうした。)

いや、正直いってちぃちゃんはちょっと頭悪かったから、キャリアを積んで給料を増やすとかはできなかったかもしれない。

そこまで考えて、私はまた、深夜バイト募集のポスターのを見る。
私は学校でそれなりの成績をとれる脳味噌を持ってたおかげで、それなりの給料をもらえる仕事に就けた。
彼女が深夜必死に働いて得るお金の倍の給料を、私は、昼間の仕事で、キャリアや、やりがいや、その他お金に換えられない価値とともに受け取っている。

ちぃちゃんは、どんなに頑張っても私と同じ給料を稼ぐことなんてできないし、他の人と出会って結婚することも出来ないんだから、だから、彼女は彼女なりにできる最大の幸せを手に入れたんだ。ちゃんと。


と、思って納得することができずに、私はいまも考えてる。

ちぃちゃんは、ただ、足りなかっただけ。
でも、足りなかったのは、お金じゃない。