ナスPの日記

日常生活で自分が何かを「思った」時に、「なぜそう思ったんだろう?」ということをめっちゃ考えて書きます。

疲れちゃった人の支え方

友人と一緒に食事をしているときに、妹さんが仕事を辞めたという話をした。

 

うちの妹、ちょっと仕事を舐めてるとこあるんだよねぇ。人間関係なんてどこも同じなのに、そんなことでくじけちゃってどうするのよ。


人間関係はどこも同じじゃないよ。
私は5つくらいの職場を転々としたけど、3つの職場はとてもいい職場で、2つの職場は人間関係最悪だった。
特に社員が3人しかいなかったときの職場は最悪でねぇ。


まぁまぁ、君が前の職場の社長に恨みを抱いてるのはわかった。でも嫌なやつなんてどこにでもいるじゃん。
そんなやつがいるからって、いちいち場所変えてたらきりないよ。

 

うん、嫌なやつは確かに、結構どこにでもいる。
けど、嫌なやつが嫌なことしたときに、その行動を職場がどう見なすかっていうのは、結構違う。
というか、その職場のリーダー格の人間がどういう人かっていうのが違うと、だいぶ違う。
たとえば、私が職場でいじめられてて、上司に相談するよね? その時に、上司が「大人なんだから、人間関係の問題くらい自分たちでどうにかしろよ。」というのか、「いや、それはお前が悪いだろ」というのか、それとも「いや、本人同士でどうにかしようとするとこじらせるから、俺の方からも一言いっておくよ。」というのかでは、だいぶ違う。

 

ううーん、確かにそれは一理あるよ。でもうちの妹の場合はね。もともと根性ないんだよね。

 

うん、でもそれとこれと、「人間関係なんてどこも同じ」は違うと言うことを、ここで主張したくてですね。

 

わかったわかったわかった。

 

はいはい。まぁでも、妹ちゃんが職場を辞めた理由が、たとえ妹ちゃん自身にあったんだとしても、それでも職場を辞めるのは案外わるくないかもしれないよ?
っていうのはね、ほかの職場に移って、前の職場と比較してみれば、いやでもわかるじゃん。自分がいけなかったのか前の職場がダメだったのか。

同じことでもめるなら自分がダメですわ。

もめなかったら自分が正しかったんですわ。
「前の職場でもグチグチ言われたことを、ここでも言われる。」なんてことを4、5回くりかえすのかもしれないけど、いろいろ見識を広げるのは悪くないですよ。

うーん、でもそんなこと繰り返さなくったって、私が前から何度も繰り返し「遅刻をくりかえしたらそりゃ心証悪くする」って言ってるのに。

 

まぁまぁ。確かに遅刻はよくないけど、本当にそれが原因なのかどうかなんて、結局職場の人と妹ちゃんにしかわかんないことなんだからさ。彼女の人生なんだし。職場変えたら遅刻しなくなるかもしんないし。

 

ふーん。・・・。ねぇ、あんたって、本当に、なんていうか、「人生に最悪な出来事なんて起きない。」って思ってるのね。

 

へ?

 

君、自分が、「ただ単に運が良かっただけだ。」って思ったことないの?
自分が今の環境を手に入れたのは、たまたま入った会社がいい会社で、たまたま周りの人がいい人で、たまたま自分のついた職業が給料水準の高い職業だったからだ。って思ったことない?
君はたまたま結果論として、転職の結果事態が好転したかもしれないけど、世間の他の人にとって、転職っていう選択はそこまで簡単に手出ししていいものじゃない。
次の職場も同じだったらどうする?
もしくは、次の職場がそもそもそんなに簡単にみつかるもんじゃないんだよ。
私には、妹が次の職場を見つける前に貯金がつきて、水商売に染まっていく様がありありと思い浮かぶね。

 

まぁそうなったらもうしょうがないよね。

 

他人事だと思って。
他人事だから、気軽に仕事辞めてよかったじゃんとか言えるんじゃん。

 

まぁまぁ。
たとえ家族であっても、他人の人生にどこまでも際限なく口出しできるもんじゃないよ。
彼女が本気で、自分の生活費を得るのに水商売をやるしかないと決意したなら、それを止めることは誰にもできない。
私たちにできるのは、彼女がやる気になるのを待ってやることと、彼女が仕事を探してるときに、選択肢をいくつか示して相談に乗ってやることくらいだよ。
少なくとも、いやがってることを無理矢理やらせることは誰にもできないし、誰にもその権利はない。他人は自分の思い通りに動かないよ。

 

私が言ってんのはそういうことじゃなくてねぇ。実の妹が何のスキルも身に付かないうちにホイホイ仕事を辞めてたら心配になるでしょ、何かしてやらなきゃって思うでしょってことよ。

 

してやれることあるよ、ちゃんと。
前の仕事のグチを聞いて、「大変だったねぇ」ってうなずいてやればいいじゃん。

 

それじゃ何の解決にもならないじゃん。

 

なるよ。彼女が次の仕事を探すための活力源になる。
誰かが自分を見ててくれると、支えてくれると、疲れたときにはゆっくりと労ってくれると思えるから、人は頑張れるんだよ。
ただ、どう頑張るかは彼女なりのやり方であって、他人の思うとおりにはならない。

君の方こそ、妹を自分の思うとおりに動かそうとして焦りすぎだよ。彼女はいずれ仕事を探し始めて、いつか就職するだろうけど、それは自分のタイミングと自分のやれる仕事であって、君の望むタイミングと職業には決してならないよ。

 

就職してくれるならなんでもいいけど、就職できるって誰が保証してくれるのよ。

 

誰も保証しないよ。
ただ、私たちにできることは信じることしかない。
彼女が、彼女にとってのベストを尽くすだろうってことを信じることしかできない。
ベストを尽くした結果が望み通りの結果になるかどうかは別としてね。