ナスPの日記

日常生活で自分が何かを「思った」時に、「なぜそう思ったんだろう?」ということをめっちゃ考えて書きます。

ゲーム音楽の演奏家になりたかった、という気持ちに10年以上たってから気付いた

子供の頃自覚できなかった夢に、今更捕まったというお話。

 

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JAGMOという、ゲーム音楽を専門にしたオーケストラ楽団がいるとのことで、以下は、楽団に関する会話の延長線上にある会話だと思ってください。

 

いいなぁ。私も、本当はゲーム音楽を弾く演奏家になりたかった。
羨ましいなぁ。

へー、そうなんだ。それは初めて聞いた。

うん、だって私も、今初めてそれを自覚したからね。

え? どういうこと?

え~、この話たぶん長くなるよ。ディープだよ。

気になるセリフだけ言っといてあとはナシなんてそれこそひどいよ。言ってみたまえ。

うははは。
いや~、なんて言ったらいいかなぁ。
私、中学生の頃までエレクトーン習ってたし、高校の頃まで吹奏楽やってたし、なんなら短大に入ってもちょっとそういう吹奏楽サークルに入ったりしてたんだけど、ある瞬間を境にバッサリと、そういう「何かを演奏する。」ってことから遠ざかっちゃったんだよね。
ある瞬間を境にっていうか、当時はそれが明確には何なのかわからなくって、ただ、何かが違う、としか思ってなかった。
音楽は好きなはずで、幼稚園の時からずっとエレクトーン習ってて、小学生の時からずっと吹奏楽部やってて、一人の時だって四六時中ずっとエレクトーン弾いたりしてた。
でもみんなと集まってやったり、エレクトーンの教室で音楽習ってる時とか、ずっと「なんか、これ違う。」って思ってた。
いや、もちろんみんなと集まってサックスとかコントラバス弾いてる時もすっごく楽しかったよ? だけどそれとは別に「私が心の底から求めているものは、これとは違う。」って気持ちがちょっとずつ強くなってきちゃって、なんだか全力で打ち込めなくなってきちゃって。
でも、今それに気づいた。っていうか、ついさっき気づいた。私がやりたかったのは、これだったんだって。
この人たち(JAGMO)がやってることを、私はやりたかったんだって。

えー? ゲーム音楽やりたかったってこと?
でも、今までもこういうオーケストラの曲よく聞いてたのに、今まではそんな話しなかったじゃん。
ドラクエのオーケストラバージョンのCDとか持ってたよね。高校くらいの時に流してたじゃん。

うーん、今までのオーケストラ公演は、もともとそのゲームの製作に関わってた人たちがやってたものだからかなぁ。なんか、「自分とは関係ない世界の人たちがやってること。」って思ってた。
「ゲームの製作に関わっていた人達以外には、こういことはできないんだ。」みたいな。
でも、今回は違う。
多分、この楽団を作ろうと思ったのは、多分、私と同じように
「ゲーム発売当初に、ゲーム音楽の洗礼を受けた人たち」で、ゲーム発売当時はまだ子供だったんだよ。
ほら、この「面白法人カヤック(JAGMOの企画を立ち上げた会社)」の平均年齢、27以下らしいよ。私よりも若いんだよ。
演奏者の年齢層も20代から30代くらいじゃん。。
ちょうどファミコンやらプレステやらの洗礼を子供の頃に受けた年代じゃん。
多分だけど、推測だけど、この企画は、私と同じように子供の頃に洗礼を受けて、ゲーム音楽が好きだった人間が、大人になってからその気持ちを表現するために立ち上げたものなんじゃないかな。たぶんだけど。
「私と同じだ」って感じたから、記憶を揺さぶられたんじゃないかなぁ。

で、さっき「今初めてそれを自覚した」って言ったのは、
「子供の時、こういう仕事があったら、それ目指してたのになぁ。」
って感じかな。
ほら、私たちが子供の時に、ゲーム音楽を演奏するような楽団なんて無かったじゃん。

ふーん。でも周りの大人にそういう相談だけでもしてみればよかったのに。
ゲーム音楽が好きだから、将来そういう職業を目指したい。」って。

んー、ゲーム音楽が好きではあるんだけど、そういう職業が無いから、「それを目指します!」って考えることができないわけ。まさかそれを演奏してお金もらえるなんて、思ってもいないわけですよ。

あ、エレクトーン教室の先生に「ゲームの曲を弾きたいんです。」って言ってみたら、ファイナルファンタジー7の楽譜を取り寄せてくれた。ってことはあったなぁ。
でも先生、ピンと来てないんだよね。
普通の音楽の先生って、基本クラシックの曲しかやらないから。
エレクトーンだと、ちょっと進んでJPOPの曲とかやったりするけど、でもさすがにゲーム音楽なんて見たことも聞いたこともないわけ。
だからさ、習い事の時間の最中もたまに首かしげたりするんだよ。
「ここの楽譜にはこう書いてあるから、こう、じゃないかな。」ってかんじで。
原曲を聞いたことないからわかんなかったんだろうね。
っていうのも、今だから説明ができるんだけど。

それでも、FF7の曲を取り寄せてくれたのはそれなりの進歩だったと思うよ。やっぱり楽しかったし。
でもね。エレクトーンってパソコンと同じでさ、年々新しい機種が出るから。
新しい曲だと、楽譜にフロッピーディスクがついてて、それをエレクトーンに読み込ませて、その曲にふさわしい音とか、リズムを出すんだよね。
だからさせっかくFFの楽譜を取り寄せて貰ったんだけど、その曲は先生の家にある最新の機種でないと再生できないの。幼稚園の頃からずっと使っている自宅のエレクトーンだと音取り込めないの。
それでちょっとなんかやる気なくしちゃったんだよね。

でも当時はそこまで自分でわかってなくて、ただ何となくやる気が出なくて、頭の中に靄がかかってるような気分だった。

やる気が出ないのが自分のせいなのか、環境が整ってないせいなのかとか、とにかく「よくわからないけどモヤモヤする。音楽は好きなんだけど、なぜか全力投球する気が起きない。」って思ってた。

 

で、あきらかにやる気失くしてる私をみて、うちの親は何を思ったかこう言うわけよ。
「○○ちゃん、エレクトーン頑張って、将来演奏家になれば、SMAPとかマイケル・ジャクソンのバックで演奏できるかもしれないわよ! 私そういう人がいるってこの間テレビで見たわ!」って。

違うよ! 私が目指したいのはそれじゃないし、やる気をなくしてるのもそれが理由じゃないよ! って言えればよかったんだけど、いや、親がなんでそういうこと言うのかわかんなかったんだよね。今だからわかるけど。

っていうか、今だからわかるっていうか、今だからいろいろ言語化して説明できることがホント、今さら脳内をいろいろ駆け巡ってしまってねぇ。
「エレクトーン教室でゲーム音楽を習ってる時の先生の様子がいつもと違うな?」とか
「どうして自分はエレクトーンへのやる気が無くなっちゃったんだろう?」とか、
なぜうちの親がいきなり「マイケル・ジャクソンのバック演奏家を目指せ!」って言い出したのかとかさ。

 

今ならわかるのに。

あの時それをわかっていれば、いろいろ違ったのに。もっといろいろやれることがあったのに。

どうすればあの時、私は自分の気持ちを説明できたんだろう。どうすればちゃんと夢を目指せたんだろう。
っていう気持ちが、今どろどろと溢れてきてて、その気持ちをどう処理したらいいかわからない。